宝塚ロマン『はばたけ黄金の翼よ』
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今から34年前・1985年(昭和60年)に初演。『昭和』と聞いただけで「古っ」と思いますが、自分も昭和の生まれなので、なんとも複雑な感じです。
望海風斗率いる全国ツアーのポスターはMusicRevolutionのお衣装なので、作品のイメージがつかみにくいですが、中世の北イタリア 湖のある美しい国がお話の舞台のようです。
初演:配役
ヴィットリオ・アラドーロ=麻実れい
イル・ラーゴ(湖)国の領主 アラドーロ(黄金の翼)公爵
クラリーチェ・デル・カンポ=一路万輝のちに一路真輝へ改名
イル・ラーゴの隣国 ポルツァーノ国の領主カンポ公の娘
ヴィットリオに父を殺される
ジュリオ・デル・カンポ=壮けあき
クラリーチェの兄 ボルツァーノ領主となる
ファルコ・ルッカ=平みち
イル・ラーゴの宰相 ルッカ伯爵の息子でヴィットリオとは兄弟のようにして育って来た
皆様、歴代雪組トップなわけで、芝居・歌の安定感は想像を超えてました。
初演:あらすじ
戦乱が続く中世北イタリア
勇猛果敢なイル・ラーゴの領主ヴィットリオ・アラドーロは、隣国ボルツァーノとの戦いで、領主カンポ公を討ち果たす。混乱なくボルツァーノ国を手に入れるためにカンポ公の娘クラリーチェとの結婚を要求したヴィットリオだったが、結婚式の夜、彼女から父の敵として短剣で斬りつけられる。
霧の十字路でクラリーチェと出会った時から密かに想いを寄せているヴィットリオ。非情な支配者がだんだんと変わっていくのを良くは思わない人間もいた。影のようにヴィットリオを支えてきたファルコである。
世継ぎの剣をクラリーチェに渡したヴィットリオ。自国の未来を敵国の小娘に与えたのは、先のアラドーロ公の教えに背くと考えたファルコは、クラリーチェを亡き者にしようと企てる。
連れ去られたクラリーチェ。ヴィットリオに想いを寄せているファルコの妹ロドミアによって助けられる。ロドミアはヴィットリオに想いを伝え駆け引きをするも叶わず。さらにファルコの裏切りを知ったヴィットリオは自らの手でファルコを処刑しようとするが、クラリーチェに止められ、しかなく国外追放を言い渡す。
ヴォルツァーノ国の宰相グリエルモ伯爵は、ファルコの追放を利用してビットリオを倒そうと計画する。クラリーチェの兄ジュリオが両国の親睦のための騎馬試合をするという名目でヴィットリオを呼び出す。試合前夜、ヴィットリオは、ジュリオの刺客に襲われ、直接対決をするも圧倒的な強さを見せる。そこへ国外追放されたファルコが、クラリーチェを連れてきてヴィットリオの目の前で殺そうとする。ヴィットリオは剣を捨て囚われてしまう。
地下牢に閉じ込められたクラリーチェ。そこで初めてヴィットリオの深い愛に気づく。拷問を受けるビットリオ、ファルコは人を愛しただの男になってしまったビットリオが許せなくて何度もムチで打つ。止めに入るジュリオだが、グリエルモは情けは禁物、徹底的に痛めるんだといって家来にビットリオの左目を・・・。
ヴィットリオを傷つけた事に悩むファルコ。クラリーチェを想うヴィットリオの愛に負けクラリーチェを助け出す。
ファルコの姉ロドニアはカルラと名を変えボルツァーノ国で歌手となっていた。グリエルモ伯爵の館に呼ばれ歌うカルラ。そこへ宰相様に手紙を渡したいと入ってきた男の子(変装したクラリーチェ)。酔っ払った家臣に絡まれているのを、カルラが弟と起点を利かして助け、手紙を宰相へ渡す。その手紙はジュリオと1対1で決闘をしたいというヴィットリオからの手紙だった。
宰相グリエルモは、この機会を逃すまいと策を練り、しきたりに乗っ取り決闘をさせることにする。
ジュリオと片目を失ったビットリオ。両国の宰相立会いのもと決闘が始まる。ビットリオが万全ではないため決闘は一時中断となる。その時二人に出された酒には毒が入れられていた。何も知らず飲もうとする二人、酒が毒入りと教えたのは、ビットリオを慕い続けていたロドミア。ビットリオの杯を奪い、自ら飲み干しジュリオにも毒入りだと伝え息絶える。
グリエルモの策略に憤慨するヴィットリオ、グリエルモも引き下がらない。そこへイル・ラーゴの軍勢が到着し加勢する。最後はジュリオがグリエルモにトドメを刺す。
ジュリオは、ヴィットリオに自国ボルツァーノの統治を全て委ねると申し出る。
ヴィットリオは、ジュリオに改めてボルツァーノを預けるといい、クラリーチェとともに湖の国イル・ラーゴへ帰る。
初演:気になった台詞
☆クラリーチェ 結婚相手はどんな人・・・
私の夫になる人はどんな人なの?
私のお父様を手にかけ、その手で私を妻に迎えたいという恥知らずなヴィットリオ・アラドーロってどんな人?
恐ろしい年老いたマントヒヒのような人なの?
それとも醜い太った豚のような人なの?
☆ヴィットリオ アンサー
私が年老いたマントヒヒのような、また醜くふとった豚のような男(笑
また出会ったな、夜霧の十字路で出会った以来だ
(ひさしぶりにきいたマントヒヒ)
☆ファルコとヴィットリオ クラリーチェとの政略結婚を決めた時の会話
フ:しかしヴィットリオ様、あの娘との結婚(理由)はそれだけですか?
ビ:ほかに何がある
フ:それを知りたいんです
(実はヴィットリオ恋に堕ちてた。ファルコ、しっかり見抜いてました)
やっぱり昭和
ダンスや台詞の言い回しが昭和。
ベッドシーンでドキドキ。
お衣装も仕立てが違います。
あと、男役の歩き方が今の人達とちょっと違いますね。
轟悠 イシさんは、こんな感じで歩かれます。
脚本・演出/小柳菜穂子
今の時代には少々過激と取られる表現があります。それもソフトになると思いますが。ファルコのヴィットリオ大好き感は増し増しの方向でお願いしたいところです。
小柳先生は、ひとりひとりの個性を大事に脚本を書かれるので、どのように変わるのか楽しみです。
最後までお読み下さりありがとうございました
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