「くらわんか」2005年花組・バウ公演
スカステで放送されてて、久しぶりに 蘭寿とむ を観ました。この公演は配役がA・B・C・D・Eと5パターン
宝塚バウホール開場当時の理念に立ち返り、中堅男役を中心とした公演、そして新人男役への続演というスタイルで公演を行う。蘭寿とむ主演ABCパターン、愛音羽麗主演DEパターン。
公演解説
「くらわんか船」の船頭・八五郎(蘭寿とむ)は根っからの怠け者だが、したたかに生きる術を心得ていた。女房に愛想を尽かされ、逃げ出され、やもめになっても、船宿の主人・甚兵衛(汝鳥 伶)に取り入り、船宿に居候していた。日々の生活はと言うと、貸すのは断りづらく、返せと催促するのは憚れる単位の小銭を、知り合いに借りて生業としていた。
そんな八五郎を見かねた甚兵衛が、縁談話を持ち掛けてきた。相手は公家奉公をしていた延陽伯(桜乃彩音)で、言葉遣いが丁寧過ぎるのが唯一の欠点という。丁寧過ぎる何処が欠点だと、八五郎は喜んで承知した。
嫁が来ると喜ぶ八五郎の前に、貧乏神(望海風斗)が現れた。金持ちの家に取り憑いて貧乏にするのが貧乏神の仕事だが、気の弱いその貧乏神は、縄張を仲間に取られ、八五郎の所しか行く場所がなかったのだ。貧乏な八五郎に取り憑いても仕事にはならず、逆に八五郎から小銭をせびられ、身の回りの世話をするはめになってしまったのだ。
そして、甚兵衛と貧乏神を仲人にして延陽伯との婚礼の夜、もうひとりの嫁が現れた。幽霊の小糸(桜 一花 )…。
人々が花見に興じているのを見た八五郎は、人と同じことをしても面白くないと、ひとり墓見に興じた。その時、倒れた卒塔婆を直し、小糸の霊を弔ったのだ。その恩を返そうと、小糸の幽霊が、八五郎の嫁にして貰いたいと現れたのだ。
昼の女房・言葉が丁寧過ぎる延陽伯と、夜の女房・幽霊の小糸、そして女中代わりの貧乏神。八五郎の奇妙な新生活が始まった…。古典落語を題材にした人情噺で、上方落語と、近松心中物語の登場人物が交差しながら、人情喜劇を繰り広げる。
谷正純先生の作・演出。最近の作品『CAPTAIN NEMO …ネモ船長と神秘の島…』(2017年・雪組日本青年館、梅田芸術劇場)のイメージが強いので、この作品はとても新鮮に見えました。1幕2幕の構成で、幕間は、「25分の休憩をしましょう」「どこの場所かちゃんと覚えておいて」と言って1幕が終わります。これも新鮮というか、上手いと思いました。
出演者 ABCパターン
八五郎 蘭寿とむ
梅川 城火呂絵
甚兵衛 汝鳥 伶
貧乏神 華形ひかる 朝夏まなと 望海風斗
徳兵衛 朝夏まなと 天宮菜生 華形ひかる
お初 桜 一花 姿央みやび 華城季帆
小糸 梅咲衣舞 華城季帆 桜 一花
延陽伯 桜乃彩音 初姫さあや 桜乃彩音
安兵衛 嶺輝あやと 紫峰七海 祐澄しゅん
卯之助 紫峰七海 浦輝ひろと 嶺輝あやと
源助 紫陽レネ 日向 燦 夕霧らい
喜六 日向 燦 初輝よしや 煌雅あさひ
杢兵衛 悠南はやき 紫陽レネ 嶺乃一真
お咲 七星きら 聖花まい 芽吹幸奈
お里 花咲りりか 七星きら 澪乃せいら
出演者 DEパターン
八五郎 愛音羽麗
梅川 城火呂絵
甚兵衛 汝鳥 伶
貧乏神 華形ひかる 祐澄しゅん
徳兵衛 望海風斗 朝夏まなと
お初 初姫さあや 桜乃彩音
小糸 姿央みやび 梅咲衣舞
延陽伯 桜 一花 華城季帆
安兵衛 嶺輝あやと 浦輝ひろと
卯之助 紫峰七海 天宮菜生
源助 紫陽レネ 日向 燦
喜六 嶺乃一真 悠南はやき
杢兵衛 夕霧らい 初輝よしや
お咲 七星きら 花咲りりか
お里 遼かぐら 聖花まい
この時期の花組のトップは春野寿美礼。
蘭寿とむ、宙組へ行く前の作品ですね。(宙組 大空祐飛との並びも素敵だった)。酔っぱらいのお芝居、お顔の表情の変化や動きがすごく上手でした。
華形ひかる、この時すでに役替わりで貧乏神に。まさか13年後の2018年・星組公演『AnotherWorld/KILLER ROUGE』で再度貧乏神になるとは思っていなかったでしょうね。お芝居の冒頭、獅子舞の場面での獅子頭の扱いはとても上手。
望海風斗の貧乏神、声のトーンは高め。今ほどの歌唱力は無いものの、研2(3になるちょっと前)で、とても楽しそうに歌っていました。貧乏神なので、裸足。細くて可愛い足。
朝夏まなと、まぁ様も貧乏神になっていたんですね。2012年宙組へ組替えしたけど、蘭寿とむが花組⇒宙組⇒花組と戻ってきてからの組替えだったから、二人が宙組で一緒になるっことは無かったんですね。
新たな発見もありで、久しぶりに過去作品をガッツリ観ました。
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