2019年11月28日~ 12月9日バウホールで上演された音楽奇譚『龍の宮物語』
5月15日、スカイステージで放送されました。
指田珠子先生の宝塚バウホール、デビュー作品。
上演が決まった時からタイトルに惹かれ、実際にある夜叉が池にまつわるお話を調べたりしていましたが、指田先生の描かれる「龍の宮物語」。その世界観に今も心臓は捕まれたままです。
音楽奇譚『龍の宮物語』
※ネタバレ注意※
プロローグ
登場人物の総出でわくわく。
龍神兄弟のビジュアルの高さ。
チーム人間界とチーム龍の宮
チーム龍の宮の一人ひとりが濃い!
この画面は伊予部清彦(瀬央ゆりあ)が見る不思議な夢。
幼い頃の清彦が池のそばで一人の女性と出会い言葉を交わす。ぐるぐると世界が回り消えていく。清彦は夢から覚めると涙がこぼれている。
島村家
書生を多く抱えている実業家。
百合子(水乃ゆり)ヴァイオリンが得意。縁談話が出ている。
書生たちの百物語
島村家の書生仲間たちとの百物語で清彦(瀬央ゆりあ)は「夜叉が池」の怪談話を知る。
山彦(天華えま)は面白くない顔をしている。清彦に「池には近づくな」と言うが聞き入れてもらえず、清彦は肝試しに池へ行ってしまう。
池のほとり
山賊に襲われている娘に遭遇した清彦。殴られた末、持ち合わせのお金を全て渡し娘を助ける。娘はお礼に清彦を池の底の龍の宮へ連れて行く。
場面展開
龍の宮の場面・人間界の場面
流れるような切り替わりで、どんどん引き込まれていきます。
龍の宮の笹丸(澄華 あまね)のお衣装や清彦に向けての「ここにいてはいけない」の台詞に「千と千尋の神隠し」のハクのイメージが。。チーム龍の宮の他のメンバーにもアニメのキャラが所々被って見えます。
美しすぎる龍神(天寿光希)は「生贄」にされた玉姫(有沙瞳)のことを1番大事に思っている。
玉姫は、自分のことを恐れ逃げていった男が許せずにいる。その子孫までも恨み呪っている。
呪いをかけられ池から戻った清彦。
30年の時が経っていた。
30年後の人間界
関東大震災、世界恐慌の後の世界
清彦の心情、玉姫への思いが増していく。
龍の宮
塞込む玉姫、龍神との関係にも陰りが。
そこから悲しい結末へと一気に転げ落ちていきます。
◇◇◇
玉姫は龍神からも思われ、清彦からも思われるという、とても羨ましい状態になるわけですが、憎しみと同じくらいの愛があるとしたら、その後の行動も理解できます。
登場人物の愛の方向性が面白く、龍神の兄弟間にも複雑な思いがあるようです。
島村家の書生で親友の山彦、解釈しだいで見方が大きく変わってきます。
それぞれの愛があり、それぞれの行動が主人公を動かしている。
その結末どうなるのか・・・。
伊予部清彦 瀬央ゆりあ
声も動きも何もかもが「清彦」。さらに清彦の心の痛みがダイレクトに伝わってきて切ない。お芝居の巧さ、歌の上手さ、せおっちの溢れる魅力に圧倒されました。
龍神 天寿光希
ゆるぎない美しさ、貫禄。声を張らず静かに静かに感情を乗せていくお芝居を、最近観ていなかったようで、とても惹かれました。
島村政光/銀山 美稀千種
百合子の優しい父親と、強面の銀山の二役。両極吹っ切れていますが、悪役の方が楽しそうに演じておられるのではと思いました。
玉姫 有紗瞳
now on stageを見ていても思ったのですが、玉姫としてもくらっちとしても清彦せおっちに惹かれていますね。せおっちが魅力的過ぎるから仕方ないですね。
龍神 弟 天飛 華音
プロローグの登場から目が釘付け。
常に兄を慕うイケメン。
音楽奇譚『龍の宮物語』
見事なくらいハッピーエンドではないお話ですが、大劇場作品とは違い、一人ひとりの個性や魅力が充分に発揮されている作品です。
場面のメリハリの付け方、観ている者の心の揺さぶり方、指田先生の次回作にも期待してしまいます。
星組新トップコンビお披露目作品『眩耀の谷~舞い降りた新星~』で3番手となった瀬央ゆりあ。これからの活躍が楽しみです。
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