8月12日、BSプレミアムで放送された 星組『霧深きエルベのほとり』『ESTRELLAS(エストレージャス) ~星たち~』紅ゆずるの魅力があふれている素晴らしい作品です。
『霧深きエルベのほとり』
紅ゆずるの演技力、もうすぐ退団という感情も足されているかもしれませんが、ちょっとした場面でも胸に刺さってきました。表情、間、気取ったカッコよさがなくて、純粋にお芝居に入りこんでいけました。
「愛しているからこそ身を引く・・・」というなんとも切ない心情を、それぞれの立場の違いを絡めながら、巧く表現されていました。(身を引く立場多すぎなのもすごい)
あと、画面で見る編集のうまさ。舞台観劇ではよくわからなかったところ(オペラで追っかけていて肝心なところが見えてなかったとか、セリフの理解が足りなかったりとか)そういうのをカバーしてくれるのが良いですね。スターアングル的な編集も、こんなシーンだったんだと、改めて感動しました。
お芝居が進むにつれ、カールへの感情移入と、もうこのメンバーでは見ることができないんだという複雑な心境が混ざって、最後はカールと一緒に泣いていました。
この作品の初演が1963年ということは…54年前の作品!?作品の年齢(古臭さ)を全く感じないです。
心に揺さぶりをかけてくる 上田久美子先生の潤色・演出の巧さですね(星逢一夜から大好きです)
『ESTRELLAS(エストレージャス) ~星たち~』
このショーについては、内容よりも言いたいことがあります。
「霧深きエルベのほとり」「エストレージャス」は、2019年1月1日・今年の元旦から公演が始まりました。
元旦公演そのものは珍しくはないのですが、公演が始まって2日後の1月3日、「エストレージャス」がBSプレミアムで新春・特別番組という形で、元旦に録画されたものが放送されました。
公演中のショーが放送されるって、どういうこと?
そんなん見たら、お金払って観ようっていう人減るやろ。
集客に もろ影響出るんじゃないの?
えらい思い切ったことして、大丈夫?
案の定、放送後のチケットの余り方が、ここ最近見たことない状態になっていました。
百数枚という数字の表記から、「多数ご用意しております」になったのを見て、泣きそうになりました。
さらに大劇場公演が終わって、東京公演が始まる前の2月6日、紅ゆずるの退団発表
トップお披露目公演が終わった時に、大劇場5作品で退団すると決めていたと言うけど、「生まれ変わったとしても、叶うならもう一度入団したいと思うぐらいタカラヅカが大好きです!」って(´;ω;`)。
正月の放送がなかったら、数字もちゃんと出せていて、退団の時期も変わっていたのかも・・。(注意:個人的な憶測です)
いまさら言っても仕方ないことですが、紅ゆずるというかつてない逸材を送り出すという寂しさが、こみ上げてきます。
でもね、その寂しさを吹き飛ばしてくれるのは、綺咲愛里 あーちゃんの歌声なんですよ!!
ショック療法とでも言いましょうか。びっくりするくらい効き目がありますね。
いろんな輝きを持つ星たちが集まって出来上がるショーは、星組の姿そのもの。「みんなの個性が集まって・・・」と紅さんも言っておられます。
ともあれ、退団直前のこの時期に放送されて、紅ゆずる率いる星組のお芝居の良さ、ショーの良さが、沢山の方々にわかってもらえたのではないかと思いました。